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音楽療法の世界的権威
マイケル・ローバッカー博士来設

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2015/07/01(WED)

心身の障害の回復、生活の質の向上、行動の変容などに向け、音楽を計画的に活用する音楽療法が、介護や医療の現場で近年注目を集めており、健祥会グループにおいてもいくつかの高齢者施設で実践しています。
中でも特別養護老人ホーム健祥会モルダウは、徳島文理大学音楽学部との連携により十数年前から学生の実習を受け入れるかたちで先駆的に取り組み、利用者様やご家族からご好評をいただいています。
今年度も毎週水曜日に、利用者様に音楽療法が行われており、実習の一環として7月1日、同大の名誉博士であるマイケル・ローバッカー博士が見学に来設されました。
博士は音楽療法の世界的権威であり、博士課程も整う音楽療法先進国アメリカで音楽療法協会を率いる第一人者。年2回来日し、学生たちに集中講義を行っているもので、モルダウへも2002年、2006年に続く3度目の訪問です。


音楽療法を受けるのは2グループ10名の利用者様。この日はAグループの4名の方が対象となり、同大2年生の3人による療法がスタート。「こんにちはのうた」で始まり、「七夕」の歌では回想療法を取り入れ、双方向で丁寧にやりとりしながら進めます。馴染みの歌を通して、一人ひとりに向き合い、語りかけ、話を聞き出すことで、利用者様の心が開かれてゆくのがわかります。自然に目が輝き、笑顔が生まれます。利用者様のペースでゆっくりと進行し、1時間があっという間、「さよならのうた」ではやはり一人ひとりに向き合って、ありがとうを伝え合い、次の回での再会を約束しました。

素晴らしい時間を過ごした後、今回はさらに嬉しいおまけつき。マイケル・ローバッカー博士の弾く「子猫ちゃん」に合わせ、博士の巧みな誘導で、手、プラス足、プラスからだでリズムをとり、鳴き声も織り交ぜて、楽しい1曲を共有しました。また、今日が誕生日だという利用者様にハッピーバースデイの歌をみんなでプレゼント。利用者様が満面の笑顔で博士とハイタッチを交わす姿に、そこにいるものがみんな幸せな気持ちになり、音楽の力を実感したひとときでした。

 

博士はその後、併設するデイセンターザトベックでの認知症ケアの様子や、隣接するケアハウス健祥会リバティの展望レストラン「タヴァーン」、多機能大浴場「リバティホット」を見学。文化的芸術的美しさや空間のゆとりが大切にされていて素晴らしいとお褒めの言葉をいただきました。

回想による大脳機能の賦活、リズム知覚刺激による心身の活性化、情緒の安定化、集中力の回復、QOLの向上、生きがいづくりなど、多くの効果が得られる音楽療法。今後も徳島文理大学様のご協力を仰ぎながら、成果を検証し、エビデンスを求めつつ、積極的に実践してまいります。
マイケル・ローバッカー博士はじめ、先生方、学生の皆様ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

掲載日:2015/07/01(WED)

[記事公開日]2015/07/01(水)
[最終更新日]2018/09/27(木)

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