ある日、職員がおやつの話をしていました。
「おやつに、はったい粉を出してみてもいいんじゃない?」という声が上がりました。
ところが、職員の中には「はったい粉って何?」という人も。
そこで入居者様に聞いてみると、
「あれじゃな」
「知っとる。なつかしいな」
と、皆さん即答。
どうやら、入居者様にとっては説明するまでもない存在だったようです。
久しぶりに、お目にかかれるのかと私も楽しみにしていました。
しかし当日、私は外部での用事があり、まさかの不在。
久しぶりの「あれ」を見ることができませんでした。
仕方がないので、後から当日いた職員に聞いてみることに。
「あれって、どうだった?」
「入居者様、喜んでいましたよ。」「美味しそうに食べられていました。」
なるほど。そうですか。いやいや、こっちは実際に見られなかったんだよ・・・
あまりにも模範的な回答しか返ってこないので、こうなったら本人に聞くしかありません。
「はったい粉、美味しかったですか?」
すると、
「久しぶりに食べて美味しかった」
「昔はよう食べよったけど、久しぶりに食べた」
そんな声が次々と聞かれました。
やはり、入居者様にとって「はったい粉」は、昔の暮らしの中に当たり前にあった食べ物だったのでしょう。
後から写真を見せてもらうと、「あれ?」
私が昔見た「はったい粉」と、なんだか色が……。私の記憶の中では、もっと茶色かったような気が……。
とはいえ、
写真に写る入居者様のスプーンは、どんどん進んでいます。普段は食が細い方もしっかり召し上がっていました。

どうやら、皆さんにとっては「懐かしい味」という最高のスパイスが加わっていたのかもしれません。
今は、甘くて美味しいお菓子がたくさんあります。
でも、昔から食べてきた「懐かしい味」には、それとはまた違った美味しさがあるのだと思います。
食べ物には、味だけではなく、その時代の思い出や、その頃の暮らしまで一緒に蘇らせてくれる力があるのかもしれません。
目の前の「食べる」という行為だけではなく、その人が歩んできた人生や、昔の暮らしにまで触れることができる。
そんな時間も、私たちの大切な関わりのひとつなのだと思います。
それでは今回の投稿はこれで終わりにしようと思います。
次回の投稿をお楽しみに。

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