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理事長挨拶(2023/01/01)

社会の安心の砦として

世界がコロナ禍に遭遇し、早や3年が過ぎました。健祥会グループでは利用者様やご家族にご理解・ご協力をいただきながら、制約の中だからこそ、日々の暮らしに楽しかった、おいしかったという喜びを見出していただけるよう努めてまいっております。 コロナ禍は今なお終息をみるには至っていませんが、社会は対コロナの知見を積み、「withコロナ」へと舵を切り始めました。 一方で30年ぶりの円安に加え、食料品から石油まであらゆる価格の高騰が暮らしと経済を直撃しています。こうした厳しい状況であるからこそ社会福祉という砦をしっかり守らねばとの想いをますます強くしています。

二つの新施設、利用者様のためのテクノロジー

健祥会グループでは昨年12月徳島県板野郡上板町にグループホーム「健祥会こころ」を開所しました。隣接する老人保健施設健祥会ハートとともに地域包括ケアの一翼を担います。本年4月には同じく板野郡北島町に小規模多機能ホーム「健祥会ハーグ」がオープンし、北島町の皆様の多様なニーズにお応えしてまいることとなります。 両施設ともハードに心を込め、時代の流れを見越して設備機器を手厚く整備。業務の効率化と情報共有を図るICTシステムを導入するとともに、最新の見守りシステムを健祥会こころでは全室に、健祥会ハーグには泊まりの3室に導入し、デジタル化にも万全を尽くしました。 コロナ禍を契機に、介護・医療、教育・保育の世界でも目覚ましい勢いでデジタル化が進んでいますが、大切なのはデジタル化そのものではなく、デジタルがもたらすエビデンスや利便性を駆使してよりよいサービスをつくっていくこと。どんなにテクノロジーが進化しようと、それが利用者様の望むことなのかどうかをしっかり見極め、常にニーズに寄り添いながら、人にしか担えない部分を大切に守っていかねばなりません。 コロナで直接の面会が思うに任せず、利用者様にもご家族にもつらい思いを強いてきた3年間でしたが、その分施設ではブログでの発信を充実させ、見える化に取り組んできました。 グループのホームページの施設ブログコーナーで心温まる日常がご覧いただけます。施設内にご家族の目が届かない分、業務に緩みや甘さがないかを職員一人ひとりが常に自省し引き締めてまいっております。

全職員の頑張りに、二度のベースアップを

私たちのサービスにとって大事なのはなんといっても「人」=「職員」です。人財にとって働きがいのある職場であるよう、職環境をよりよくする努力を続けており、健康経営、ワークライフバランス、子育て支援など、様々な分野で取り組みが実を結んでいます。また若手職員からなるKIRARI WOMANネットワークは誕生から7年目を迎え、年々活動の幅が広がり、人財のよき育ちの場となっています。 昨年、コロナ禍での職員の労に報いるとともに物価高騰にも配慮し、正規非正規の別なく全職員へのベースアップを二度にわたって実施しました。コロナ禍で事業収入は減ですが、幸い、スケールメリットと経営努力により体力を温存してきましたから、自主財源からの拠出により断行しました。また、ハードの更新期を迎える施設については順次大規模修繕に着手し、並行して積極的にICT化を図っていく計画です。

原点に立ち、不変の行動指針を掲げて

私たちの原点は44年前に掲げた会是「福祉は人 人は心」「心と心」です。デジタル化が進み様々なことが変わりゆく中で、職員には専門職である前に人としての原点、あるべき姿に今一度立ち還って欲しいとの想いを強くし、一昨年来「原点回帰」を掲げ、職員に繰り返し訴えています。ことに昨年は周年を迎える施設が多く、創設の想いを噛み締める機会に恵まれました。テクノロジーがいかに進化しようとも、AIには担えない「こころ」の為す領域こそが私たちの真価であり、そして誇りです。 不安定要因の多い今、未来は予測不能ですが、何がどう変わろうと利用者様と地域社会に安心安全を、園児と学生に豊かな育ちと学びを届けることが使命。そして法人として職員に働く喜びと働きがいを届けることが責務です。 そのために掲げる私たちの不変の行動指針「サービスの質の追求」「職場での共創」「地域社会への貢献」。すべてはこれに尽きるとの想いで、三度、年訓として掲げ、新しい年をスタートします。まだまだコロナ禍は終息しそうにありませんが、決してコロナを言い訳にすることなく、グループ3000人の職員が同じ未来を見ながら、人としてのあたたかな「こころ」と先進のデジタル技術との融合を図り、地域に希望と安心を紡いでまいります。どうか本年もよろしくお願いいたします。

2023/01/01

令和5年訓