3月3日。皆さんにとって、この日は何の日でしょうか。
そう、俗に言う「ひな祭り」。女の子の成長と幸せを願う日とされています。
けれど、少し考えてみてください。
女の子だけの幸せを願う日、というだけでは、少しもったいないと思いませんか。
何歳になっても、自分を大切にする日があってもいい。
自分の人生や歩みを振り返り、「よく頑張ってきたね」と自分に言える日になれば、こんなに素敵なことはありません。

いこいの入居者様の9割は女性です。
だからこそ、年齢に関係なく、これからも幸せを感じていただける一日にしたい。そんな思いで、職員一同ひな祭りの行事を企画しました。
ひな祭りの由来を調べて説明する職員。
自宅からひな人形を持ち寄り、環境づくりをする職員。
少しでも楽しんでいただこうと、それぞれが考え、準備を重ねました。
やはり一番に目を引くのは、ひな人形が飾られた瞬間でした。
それだけで空間が一気に「桃の節句」になります。
「昔はね…」
「子どもが小さい頃は、毎年お祝いしていたよ」
思い出話は次から次へと広がります。
100歳に近い入居者様に「小さい頃も飾っていましたか?」とお尋ねすると、
「そんなの当たり前じゃないの。私も買ってもらったよ」
と、どこか誇らしげな笑顔。
もちろん、すべての方が同じ思い出を持っているわけではありません。
けれど、形は違っても『誰かに大切にされた記憶』は、皆さんの中にしっかり残っているように感じました。

そして私は思いました。
ひな祭りは、子どものための日ではなく、「大切にされてきた自分」を思い出す日なのかもしれない、と。
何十年という時間を重ねてきた皆様。
その人生の中には、嬉しかった日も、苦しかった日も、きっとたくさんあったはずです。
それでも今日、ひな人形を前にしたときの笑顔は、幼い頃と変わらないように見えました。

私たちは、年齢を重ねてもなお、
誰かの幸せを願われる存在でありたいし、自分自身の幸せを願っていい存在でもある。
ひな祭りは、そんなことを改めて教えてくれる一日でした。

これからも、入居者様お一人おひとりが
「私は大切にされている」と感じられる時間を、
日々の暮らしの中で積み重ねていきたいと思います。
来年の3月3日も、
また同じように笑顔でこの日を迎えられますように。
それでは、今回の投稿はこれで終わりにしようと思います。
次回の投稿をお楽しみに。

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