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音楽療法で優しい時間をありがとう!
マイケル・ローバッカー教授と徳島文理大学の皆さん

特別養護老人ホーム健祥会モルダウでは、利用者様のQOL(生活の質)向上と心身の活性化をめざして、早くから音楽療法に取り組んでいます。音楽の持つ特性を活用したプログラムを通してリハビリテーションを行う療法が音楽療法です。

特別養護老人ホーム健祥会モルダウ

回想による大脳機能の賦活、リズム知覚刺激による心身の活性化、情緒の安定化、集中力の回復、生きがいづくりなど、多くの効果が得られることから、発達障害や精神障害、緩和ケア、病気や事故後のリハビリテーションなど、多くの分野で導入されています。特に近年、QOLが大事にされるようになり、障がいの有無を問わず、子どもから高齢者まであらゆる年代の方を対象に広がりを見せ、音楽療法への関心は高まっています。

音楽療法先進国アメリカの第一人者
マイケル・ローバッカー博士夫妻、健祥会モルダウへ


健祥会モルダウでは、徳島文理大学音楽部との連携により、学生の実習施設として、月に2~3回の頻度で療法の時間を設定。利用者様の参加の意思を確認し、5名程度の方に1年を通して参加いただいています。
8月2日は今年度5回目となる療法の日。学生たちとともに音楽療法の世界的権威であるマイケル・ローバッカー博士夫妻が利用者様への療法に参加くださいました。
博士は、音楽療法先進国アメリカで音楽療法協会を率いる音楽療法の第一人者。徳島文理大学の客員教授として、日本初の音楽療法コースでの教育に貢献してくださっています。夫人も音楽療法士として集中講義を担当し、学生を指導なさっています。健祥会モルダウへは2002年、2006年、そして2015年、2016年に続き5度目、コロナ禍をはさんで4年ぶりの来日・訪問です。

思い出に語りかけ、心に音楽を届ける
利用者様の表情が豊かになる

この日、音楽療法を受けるのは4名の利用者様。5人の学生さんが、ギターやピアノを演奏しながら、利用者様一人ひとりにやさしく丁寧に語りかけます。目の高さをあわせて声をかけ、ほどよいボディタッチも忘れません。


最初は、繰り返し「こんにちは」と呼びかける「こんにちはの歌」で気持ちを解きほぐし、「桃太郎」の歌では、一緒に唄ったり手遊びを交えたり。だんだん利用者様の表情が豊かになり、笑顔も言葉も飛び出します。「海」の歌では、オーシャンドラムで波音を奏で、美しい海辺の写真や貝殻とともに、利用者様の思い出に語りかけます。続いて、4人の利用者様がそれぞれ、鳴子、太鼓、オーシャンドラム、トーンチャイムを担当し、「ソーラン節」を演奏。利用者様は身を乗り出し、目を輝かせ、音楽を通して心と心がつながり合っていくかのような豊かな時間となりました。


学生たちの実習を熱心にご覧になっていたローバッカー教授夫妻は、自ら、ピアノとギターを奏で、よく通る明るい声で、場をリード。手振りを交えて軽快な曲「アーリーキャット」などをみんなでからだごと楽しみ、「さよならの歌」で笑顔のフィナーレとなりました。


言葉は通じなくても音楽が心を開き、繋ぐことを感じさせてくれたひととき、利用者様もとても楽しんでくださったようで、この取り組みをずっと大切に続けていきたいと思います。
マイケル・ローバッカー博士夫妻はじめ、指導教授、そして学生の皆様ありがとうございました。

[記事公開日]2023/08/04(金)

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