健祥会グループ

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研修
不変の行動指針をテーマに
「年間取組発表会」


利用者様によりよい介護をお届けするために、また、現場の士気と意欲を高め、介護の楽しさ、やりがい、誇りを職員みんなで共有するために、健祥会グループのすべての高齢者施設と障害者支援施設では毎年統一テーマに沿った取り組みを実践しています。

令和7年度の統一テーマ:健祥会グループ行動指針

「私は利用者ニーズに応えます」

「私は上司・部下・同僚に応えます」

「私は地域社会に応えます」

施設種別ごとに5会場で予選が行われ、勝ち抜いた7施設が、3月4日、健祥会トゥモローホールで開催された令和7年度の決勝大会に臨みました。

決勝進出を果たしたのは、老人保健施設健祥会ウェル 吉野川リハビリセンター、老人保健施設健祥会バーデン/ケアハウス健祥会リブレ、グループホーム健祥会彦左、小規模多機能ホーム緑風会登子/デイセンター緑風会尊氏、介護老人福祉施設ふるさと那賀、特別養護老人ホーム緑風会チロル、特別養護老人ホームエリザベート成城です。
理事長中村太一、常務理事中村晃子、専門学校健祥会学園校長武田英二をはじめ、グループ本部の管理職、ステージリーダーら審査員と各施設の職員らの見守る中、1年間頑張ってきた取り組みと成果がプレゼンテーションされました。

健祥会トゥモローホールの晴れの舞台でプレゼンテーション

1.老人保健施設健祥会ウェル 吉野川リハビリセンター
進化と深化〜地域で一番のデイを目指して〜


稼働率向上という明確な目標を掲げ、利用者様の状況やキャンセルの分析を通して、数字への意識向上を図り、利用者様と一緒に目標に向かった結果、身体機能評価が向上し、キャンセル低下につながった。環境・食事・入浴、すべてに心配りをすることで利用者様の好反応を得ることができ、それが職員のモチベーションになるという好循環。外部事業所への訪問、地域の老人会やサロンへの出張講座、見学体験ツアーの実施、生活行為向上マネジメントプロセス支援など、全職種による丁寧な取り組みで地域一番をめざした。

2.小規模多機能ホーム緑風会登子/デイセンター緑風会尊氏
改善×∞ 〜より良いサービスへの挑戦〜


「食の満足度向上への挑戦」「5S活動による職環境の改善」「未来をつなぐ『結び』の和」を3本柱にすえ、施設の基盤作りとサービスの質向上に取り組んだ。
食では、完全調理品への利用者様の声に応えるために、利用者様と共に畑を作り野菜を収穫。食卓の彩りに添えただけでなく、たくさんの笑顔が生まれた。
5S活動では、慣れからの脱却を図り、施設のあらゆる場所からムリ・ムダ・ムラを徹底排除、利用者様がくつろげ、職員も働きやすい空間づくりとコミュニケーションの時間を実現。『結び』の和では、地域に出かけて活動に参加したり、自ら活動の場を創出したり、施設を地域に開放したり、さまざまな地域との「和」が結ばれた。取り組みを通して、小さな改善を無限に積み重ねることの大切さを知った。

3.老人保健施設健祥会バーデン/ケアハウス健祥会リブレ
思い出を力に変える 写真・動画を「記録」から「心を繋ぐケアのツール」へ


利用者様やご家族、お互いの「見えない不安」が施設への不信感や預けた罪悪感につながっていると現状の課題を分析。見えない不安を、見える安心に変えるために、写真や動画を活用。パートナー制を活かし、ありのままを伝える短い動画を撮影し、ご家族へは施設だよりやアルバムをDVDにしてお届けした。
写真・動画を単なる記録ではなく心を繋ぐケアのツールと捉え「思い出を活力に」変えたことで、利用者様の笑顔が増え、ご家族の訪問が増えるという嬉しい結果に。誰にでも手早くできて負担にならない、簡単な仕組みとしたことで、施設の当たり前の取り組みとして定着した。

4.特別養護老人ホーム緑風会チロル
“便利”を超えて、”価値”を生むDXへ ~アップデートせよ!~


デジタル機器導入がグループでもっとも進んでいるチロル。ICT化で生みだされた時間=取り戻せた時間を可視化したうえで、「ICTは楽をするためではなく本来やりたかった仕事に戻るための道具」と捉え、「ICTを使わない(記録端末を触らず、観察・声掛け・表情確認に集中する)時間を増やすDX」〜ノールック・ケア〜を実践した。
また取り戻せた時間を、CS調査に基づいて、レクリエーションの充実に充当。笑顔の絶えない環境を作るとともに、レクを通じたコミュニケーションを外国人財の日本語学習の機会とした。部署連携や地域交流を活発にし、コロナ前の活気ある環境へ回帰を図った。
この間、20人あまりの利用者様を看取ったことは、単なる経験ではなく、いのちの重さに寄り添う力と覚悟の積み重ねとなった。

5. 特別養護老人ホームエリザベート成城
つながるケア、ひろがる幸せ


「私は利用者ニーズに応えます」では、もっとも根源的なものとして「食」と「排せつ」をテーマに据えた。「食」の取り組みでは、ユニット一品調理を開始。「音、香り、出来立て」が笑顔と会話を生んだ。「排せつ」では、24時間の尿測によって排せつパターンを把握・分析し、その結果を睡眠の質と健康状態の改善につなげることができた。
「私は上司・部下・同僚に応えます」では、チームとして利用者様にとってのベストに向き合うという立ち位置を再確認。各々の専門性を活かすとともに、専門性の枠を超えて連携に努め、社会参加支援や楽しみ支援を通して利用者様の暮らしにアプローチし、より豊かな暮らしを実現した。
「私は地域社会に応えます」では、地域の企業や団体と協働して子ども食堂を運営。地域の中で生きる施設として、地域とのあたたかな関係性を紡いでいる。

6.介護老人福祉施設ふるさと那賀
楽しい職場を私たちは創る!!!

「好きなこと・得意なことは何か」という施設長の問いから始まった挑戦。絵が好きな職員の手で地域にまつわるイラストが生まれ、施設ブログに登場。すべての職員が行動指針を確認するツールとなった。
食べることが好きな職員はユニットのキッチンでライブクッキングを企画。外国人財のお国料理も好評で、施設の夏まつりで、地域の皆さんにも喜んでいただくことができた。一人の職員の「好きなこと」が利用者様と職員、地域をつないだのだ。
また「看取り期こそ、その人らしく」というある職員のこだわりが、95歳の利用者様の自宅への外出を実現。嚥下状態と食事量の安定を図り、体力をつけ、点滴なしで自宅へ戻り、大好きな庭の木のみかんを食べることができた。
十人十色の職員が好きや得意に向き合い、それぞれの強みを活かせば、やりがいが生まれ、職場が明るく楽しくなる。利用者様が笑顔になり、ご家族へ、そして地域へと、幸福の連鎖が生まれていった。

7.グループホーム健祥会彦左
応える力でつながる あたたかなホーム 〜小さな暮らしの中に 大きな安心を〜


コロナ禍以降、安全対策を優先し、こころのゆとりや対話という福祉としての本来の役割が犠牲になっていないかを問うことから取り組みは始まった。安全への責任や義務感の陰に隠された職員の想いと「本当にやりたいこと」を汲み取り、その視点に立ち、他施設を見学したりして、慎重に現状改善への糸口を探した。「グループホームは施設ではない。家なのだ」の想いから導き出した「守るための1.5cmから、触れ合える0cmへ」に沿ってアクションを起こしていった。無理無駄の排除と質の向上を計画し、環境整備、施設だよりの刷新、チーム力を活かした動画レク、職員間でのパートナー制度などを実施。「応える力」で利用者様の想いに応え、カフェを開いた実践も紹介された。


どの施設も20分の持ち時間をオーバーすることなく、非常に落ち着いたトーンで、余裕にあふれた発表を繰り広げました。老人保健施設健祥会バーデン・ケアハウス健祥会リブレでは、EPAのインドネシア職員が見事にプレゼンテーターを務めあげました。老人保健施設健祥会ウェル 吉野川リハビリセンターの発表終了後にステージ上で発表者同士が笑顔で握手を交わす姿に、組織の成長を見た思いです。発表者たちは誰もが達成感いっぱいの表情でステージを下り、施設長らの笑顔に迎えられました。
プレゼンテーションの審査と合わせて、ホール入り口に掲示されたポスター発表の部の審査も行われました。昨年に続いて電子投票で行われ、結果は、舞台スクリーンのほか、会場に6つ設置されたモニターでわかりやすく示されました。
栄冠を手にしたのは次の施設です。

結果発表

プレゼンテーションの部
施設名 発表テーマ
最優秀賞 老人保健施設健祥会バーデン/ケアハウス健祥会リブレ 思い出を力に変える
写真・動画を「記録」から「心を繋ぐケアのツール」へ
第2位 特別養護老人ホーム緑風会チロル “便利”を超えて、”価値”を生むDXへ
~アップデートせよ!~
第3位 介護老人福祉施設ふるさと那賀 楽しい職場を私たちは創る!!!
ポスター発表の部
施設名
最優秀賞 特別養護老人ホーム緑風会ルネッサンス
第2位 特別養護老人ホーム健祥会バイエルン
第3位 特別養護老人ホーム健祥会エンリケ

審査員講評

専門学校健祥会学園 校長 武田英二


ポスター発表の中で、私が特に印象に残ったのは健祥苑とリバティでした。現状の課題を明確に示し、その取り組みと改善結果まで整理されており、非常に分かりやすい内容でした。プレゼンテーションも、どの施設も素晴らしく、結果には大いに納得しています。

バーデン・リブレの発表は、背景・問題点・方法が論理的にまとめられており、大変印象に残りました。その他、特に印象に残った取り組みを二つ紹介させていただきます。一つは登子・尊氏の発表です。自分たちで野菜を育て、食事や環境を大切にする取り組みは、利用者様の尊厳を守るという非常に崇高な考えに基づくものだと感じました。また、5S活動によって職場環境を整え、施設をきれいに保つことで信頼や心も整えていくという発想も素晴らしいものです。さらに地域に出て活動することで、信頼や満足感が生まれ、それが職場の誇りにつながっている点に大きな感銘を受けました。
もう一つはエリザベート成城の取り組みです。排せつパターンを24時間の尿測によって分析し、その結果を睡眠や健康の改善につなげている点に大変興味を持ちました。私自身も、24時間蓄尿によってクレアチニンを測定し筋肉量を推定する研究に関わっていますが、体重よりも筋肉量の変化を把握することで、より適切な食事支援につなげることができます。そうした視点にも通じる、非常に意義のある取り組みだと感じました。
さらに、子ども食堂や朝食支援の取り組みについても触れられていました。日本でも朝食を十分に取れない子どもがいる現状を考えると、こうした活動が地域に広がっていくことはとても大切だと思います。

本日は多くの学びをいただき、ありがとうございました。これからも皆さんの取り組みがさらに発展していくことを期待しています。

常務理事 中村晃子


最優秀賞のバーデン・リブレについて。まず、「思い出を力に変える」という言葉が強く印象に残りました。若い人は未来の夢を力に変えますが、高齢者にとって未来だけを見つめることは簡単ではありません。だからこそ、この逆転の発想は、とても大切で素晴らしいものだと感じました。写真や動画など視覚的なツールを通じて、ご本人だけでなくご家族の力にもなる取り組みだと思います。

第2位のチロルを、私は1位に選びました。相変わらずの発表力でした。ICTの導入によって生まれた時間を可視化しただけでなく、「ICTを使わない時間を増やすDX」という発想がとても印象的でした。DXとは専門職の時間を取り戻すことです。技術が進むほど、人にしかできないことの価値は高まります。AIの時代だからこそ、最後に残るのは人の心に関わる領域であり、その価値をこれからさらに大切にし、磨いていかなければならない。そうしたことまで考えさせてくれる素晴らしい発表でした。毎年アップデートしているチロルは本当に素晴らしいと思います。

第3位、吉野川リハビリセンターでは、1年間で利用者様の身体機能評価が大きく向上していた点が素晴らしいと思います。身体機能の向上が、ご本人のやりたいことの実現につながり、結果として稼働率の向上にも結びついている・・・非常に理想的な形です。もっと積極的にPRしてもよいのではないでしょうか。

登子・尊氏の発表は、三つの行動指針を体現した内容だったと思います。日常の中の小さな改善が満足につながり、やがて大きな信頼へとつながっていく。ぜひこれからも、地道な改善を積み重ねていってほしいと思います。
エリザベート成城の取り組みでは、食事の喜び観察シート、排せつアセスメント、睡眠データなど、三つの客観的な指標を使い、食事・排せつ・睡眠という生活の基本を根拠を持って丁寧に支援していました。まさに生活支援の本質を示す取り組みであると感じました。
ふるさと那賀の取り組みでは、職員の得意や好きが活かされていました。特に印象的だったのは、100歳の利用者様がインドネシア語を勉強している写真です。施設の外に出なくても、施設の中にはすでに多文化共生の世界がある、こんな身近なところにあるのだと改めて気づかされました。まさにダイバーシティの極みだと思います。そうしたことがきっかけとなり、利用者様の生活の幅が広がっていく、その素晴らしさを感じました。
彦左の発表も印象的でした。コロナ以降、感染症を防がなければならないという強い責任の中で、本当に大変な思いをされてきたと思います。けれど「グループホームは施設ではない。家なのだ」その視点に立ち、慎重を期しつつ、熱い思いで挑戦し、行動を起こした、そのことに大きな感動を覚えました。経験の浅い二人が発表していたこともあり、私はその挑戦に敬意を込めて新人賞として一票を入れました。これからがとても楽しみです。

どの発表も、現場の努力と工夫が伝わる素晴らしいものでしたし、それぞれの施設の取り組みが行動指針の実現に確実につながっていることを感じた大会でした。皆さん本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。

総評

理事長 中村太一


皆さん、本当にお疲れ様でした。改めて皆さんの努力に心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。新人の職員からEPA職員まで、さまざまな立場の方々が発表され、それぞれの現場での実践が伝わる素晴らしい決勝大会だったと感じました。
また、バーデンを長年支えてこられた赤松施設長が、このたび29年間の勤務を終え退職されます。2005年から21年間にわたりバーデンの施設長として尽力され、職員を我が子のように育て、利用者の皆様を家族のように大切にしてこられました。今回の成果は、まさに赤松施設長の歩みの集大成でもあると感じています。長年のご尽力に心より感謝申し上げます。

今回のテーマである三つの行動指針は、2013年に未来へつなぐ目標として掲げられたものです。あれから十数年、当時は想像できなかったような発想や取り組みが生まれ、皆さんの現場が進化していることを大変うれしく思います。
一方で、ICTやロボットなど新しい技術が進んでも、介護の原点を忘れてはなりません。挨拶や言葉がけ、清掃、身だしなみといった基本こそが信頼の土台です。その上にこそ、新しい技術や取り組みが活きてくるのだと思います。
また、施設の取り組みをブログやSNSで発信することも重要ですが、これからは直接伝える発信の工夫もさらに大切になるでしょう。
そして今、多くの施設が人財不足という課題を抱えています。専門学校の入学者も厳しい状況にありますが、ぜひ日頃から人財育成や仲間づくりの意識を持っていただければと思います。
令和8年度も、個人・施設・そしてグループ全体のさらなる進化につながる一年になることを期待しています。本日は本当にありがとうございました。


受賞施設の皆様、おめでとうございました。すべての施設の皆様、1年間の取り組み、お疲れ様でした。
グループの行動指針がテーマとなった今年度。グループにとってゆるぎないものであるこの行動指針は、施設の日常、職員の意識の中に通底しています。今後は毎年、この不変の行動指針を取組発表のテーマとして、実践してまいります。新年度も、さらによいサービスづくり、職環境づくり、地域貢献につながるよう、創意工夫、新鮮な視点で挑戦してください。